こだわりの空間づくりについて、プランナーにインタビューをしました。
ー物件がある新富町というと、オフィス街のイメージがありますが。
プランナー
実は新富町は閑静な居住エリアでもあるんですよ。銀座や築地にも歩いて行けたり、駅周辺には公園があったり。今回の物件は駅から徒歩1分と好立地なんですが、大通りに面していたので賑やかなのかなと心配しながら現地へ向かいました。でも、部屋はちょっと奥まった所にあったので音は全く気にならず、これなら落ち着いて暮らせるなっていうのが最初の印象でしたね。
緑の多い公園、区役所や図書館などもあり住み心地が良いと言われる新富町。
ー初めて間取りを見て感じたことは?
プランナー
まず悩んだのは水まわりですね。浴槽と洗面とトイレが一体の、いわゆる「3点ユニット」だったんですけど、使い勝手を考えた時に、どうしても各々を独立させたくて。
ー移動させるにも、制限がありますよね。
プランナー
そうなんです。排水の都合でキッチンの位置は変えられず、窓があるので居室側も変更しようがなくて。パイプスペースの関係もあって、元々水まわりがあった付近で組み合わせるしかなく、頭がいっぱいになりましたね(笑)
ー最終的に、水まわりはどのような間取りになったのですか?
プランナー
浴槽の位置は動かさず、その場所にバスルームを設置しました。その隣に洗面室を設けて、リビングから行き来できるように。そしてトイレは廊下側に独立させたんです。
ー水まわりを独立させる際、気を付けたことは?
プランナー
動線ですね。以前の3点ユニットの時は廊下から出入りしていたのですが、物件の広さから一人暮らしを想定した際に、洗面室とバスルームにはリビングから行き来できる方が便利だと思ったんです。一方のトイレは、来客があった場合などを考えて廊下から出入りできるようにしました。
ー細かい動線まで配慮された配置になっているんですね。
プランナー
決まるまで苦しむだろうなと思っていたんですが、生活シーンを想像しながら図面に落とし込んだら、意外にすんなりまとまって(笑)自分で言うのも何ですが、綺麗に収まりましたね(笑)
水まわりが一カ所に集中したことで、リビングは憩いの場、水まわりは作業の場と分かれて、メリハリのある暮らしができると思いますよ。
それぞれを独立させて、使いやすく快適な水まわりに。
ーリノベーションの工程で印象に残っていることはありますか?
プランナー
解体前の調査でリビングを歩いている時に、私の「違和感センサー」がビビビッときて「ん?この床は怪しいぞ!」って(笑)調べてみたら、ほんのわずかですが床が傾いていました。「やはり!」って感じでしたね(笑)
ー歩いただけで、わずかな傾斜に気付けるんですか?
プランナー
ここに限らずたまにあることなので、調査の際は「凸凹していないか」「斜めになっていないか」など気にしながら歩き回っているんです。普通の人には分からない微妙な傾斜でも、扉の開閉に影響したりと生活に支障が出てきますからね。
そのためにも調査の時の体感はとても大事!なんですが、先日友人の家を訪問している時にもこの違和感センサーが発動して……。友人には言えませんでしたけど、もはや職業病です(笑)
ー傾いた床は、どのように調整するのですか?
プランナー
「レベラー打設」というのを行っています。解体後に左官屋さんに来てもらい、レベリング材という補修材を使って床の下地を平らにしてもらうんです。その作業はまさに職人技!ARISEは、職人の技を駆使して見えない部分もしっかりと作っているんですよ。
左官屋さんの技術によって平滑な床へと生まれ変わります。(写真はイメージです)
ー最後に、プランニングの際にこだわっていることを教えてください。
プランナー
家具配置と生活動線のバランスですね。
部屋がいびつな形をしていても、家具がうまく収まれば、良い動線が作れて暮らしやすい空間になるんです。逆にリビングを綺麗な四角で間取りを作っても、家具が上手く置けなければ、生活しにくいですからね。
ーなるほど。そのバランスで気を付けていることは?
プランナー
例えばペグボード。ちょっとした荷物やコートなどが掛けられる便利アイテムなんですが、設置する場所を考える時には荷物が掛かった状態を想定して、その分のスペースも計算するのが重要なんです。
今回は玄関に設置しましたが、住まわれる人によって掛ける荷物の種類や量も変わってくるので、動線の邪魔になるようであれば、リビングに設置することもありますね。
実際の暮らしを想像しながらバランスをみて、プランニングしています。
ーありがとうございました。