ARISEのプランナー達の想いをひもとくインタビュー。
プランナーの尾崎に聞きました。
---「2023年下半期ベストプランナー賞」を受賞されましたね。おめでとうございます。
当時はまだ入社1年目での受賞とのことで、ご自分では、どのような心がけや行動が受賞につながったとお考えでしょうか?
尾崎
はい、ありがとうございます。私だけの力ではなく周囲の先輩方や同僚、協力くださる施工業者の皆様のおかげだと思います。感謝しています。
私が心がけたことといえば、 「堅実」「シンプル」「暮らす人目線で考える」という三つの考え方をいつも意識しながらプランニングしていること。この考え方が、ベストプランナー賞をいただけたことにつながったのかなと思います。
尾崎 心真(おざき しんま)プランナー ARISE企画2課
2023年2月入社の26歳。愛知県豊田市出身。「2023年下半期/ベストプランナー賞」受賞。入社後1年半で75件を手がける若手ホープの1人です。
---その3つ、詳しく教えてください。
尾崎
一つ目の「堅実」は、自分のプランニングを一言で表したものです。 流行に左右されない堅実で無駄のない間取りは機能的で、動線も使いやすくて「住みやすい」です。長く落ち着いて暮らせると思います。 これには自分の性格が影響していますね。あまり尖ったことはせず危なくない方を選ぶタイプです。
二つ目の「シンプル」は、わかりやすいということでしょうか。 お客様が間取りを見て、難しく考えずに直感的に「あ、これいいな」と思ってくださることですね。さらには、住んでからも体感的に「住みやすくてよかったな」と思ってくれることまで含めて考えています。
三つ目の「暮らす人目線で考える」は、私だけでなく、アライズのコンセプトとしてプランナー全員が心がけているものです。 立地や広さ、駅からの距離、周辺環境などなど、さまざまな物件特性から、どのような人が暮らすのかを想定して間取りをプランニングします。そのためには、住まいのトレンドや市場動向、人々のライフスタイルの変化など、多くの分野について学ぶことが必要なんで、その点は日々努力ですね。
「堅実」「シンプル」「暮らす人目線で考える」をまとめると、シンプルなプランニングを心がけ、住む人のことを考えた間取りをつくることを重視していると言えるかなと思います。
---なるほど。シンプルな間取りこそ難しいような気もしますが、いかがでしょうか?
尾崎
おっしゃる通りです。例えばこちら。「田の字型レイアウト」のシンプルな間取りですが、シンプルだからこそ小さなこだわりが生きてくると思っています。
私が担当しているエリアはファミリーが多いので、それに特化して考えますね。心地よいリビングをつくって、ご家族が仲良く集える幸せな暮らしをイメージします。
プランニングの最初にまず見るところは、ファミリーサイズの設備仕様が入るかどうか。特に水まわりです。今のライフスタイルにあった対面キッチンを採用することが多いのですが、これも給排水管や排気管の配置、キッチンそのものの幅と横通路の幅をギリギリまで計算して、設置可能な一番大きなサイズを納めるようにしています。
水まわりでいえば、もう一点。プランニングする時にトイレの位置はなるべく変えないように心がけています。排水経路が変わると詰まりやすくなる可能性が高まるからなのですが、暮らす人目線で考えたらリスクは排除しておきたいですよね。
トイレ位置と排水経路はリノベーション前と変更せず、詰まりのリスクを軽減します。 トイレ自体は、汚れがつきにくく落ちやすいお掃除ラクラクの節水型シャワートイレに交換しています。
もちろん家具配置も考えています。 細かい部分でいえば、縦長リビングの場合の洋室3の壁の長さ。ここが短すぎると大きなソファが置けません。無理に置くと、通り道と干渉してしまいます。だからといって、ここだけを長くするには洋室1と洋屋2の広さを犠牲にすることになります。
そこで、「暮らす人目線で考える」わけです。何人家族で、どのくらいのサイズのソファを置くか、テレビをこちら側に置くかもしれない、などさまざまなシチュエーションを想像します。
そうして各居室の適正なバランスを確保しつつ、ギリギリまでこの壁を伸ばして、LDKのゆとりを作り出すことに注力します。
そして、当たり前ですが、平面だけで考えずに立体にした時にどうなっているか、にも気を配ります。ドアを開けた時、閉めた時。上下のゆとり。左右の幅。人の動きを意識して自然な動きになるように、ということを意識しています。
--ありがとうございます。シンプルでも実は細かいことまで考え抜いてらっしゃるんですね。
では、今までで一番チャレンジングな物件はどんなものでしょうか?
尾崎
やりがいのあった物件といえば、シングル向けの小さな1R物件のプランニングです。
収納が無いに等しい。半地下で暗いです。テラスに出るにも腰窓の高さを乗り越えなくてはいけない高低差がありました。また、配管の関係で水まわりが移動できないという制限もありましたが、「暮らす人目線で考える」と、やるべきことが浮かび上がってきました。
水まわりが動かせない分、レイアウトは自ずとシンプルな1LDKになりました。
小さな3点ユニットバスを、トイレ、浴室、洗面室と3つに分離することで使い勝手をアップ。それぞれ棚や吊り戸棚を活用することで収納も増えました。 ミニキッチンは料理が楽しめる3ツ口コンロのキッチンにグレードアップしています。シンク下や吊り戸棚の収納も、シングルには十分な量を確保できました。
水まわりを適切に分離することで、明るさも広さも確保できました。キッチンの横のスペースは冷蔵庫置き場です。
水まわりの収納の他にも「適量適所」の収納を設けています。何もなかった玄関を整え、シューズボックスを2台設置。廊下収納と洋室にはクローゼットもあります。
半地下のため暗かった室内は、シーリング照明の個数を増やし、さらにダウンライト照明を追加。白基調の内装と相まってさらに明るく見えます。また、洗濯物を干すために苦労してテラスに出なくていいように、室内物干しを設置しました。
黄色で記した部分が照明。リノベーション後はシーリングとダウンライトを組み合わせて増設しています。リノベーション後の赤い線が室内物干しです。
--ものすごい変化ですね!
尾崎
はい。頑張りました!
浮かび上がった課題を一つひとつしっかりと解決し、堅実に進めていくことで、限られた空間を「暮らしやすく快適な住まい」に生まれ変わらせることができたなと思います。買主様立ち会いの際、とても喜んでいただけたのが印象に残っています。
--なるほど。正統派シンプルな間取りでもチャレンジングな間取りでも 考え方は「堅実」「シンプル」「暮らす人の目線」の三つで共通しているんですね。
尾崎
結局、プランニングとは、暮らす人が「住みやすい」と思ってくださる間取りが答え。 三つの考えを大切に、暮らす人の毎日に思いをはせながら「住みやすい間取り」を追求しています。
--私も今まで何人かのプランナーさんたちにインタビューさせていただいておりますが、 「答え」を求める式はプランナーさんそれぞれに個性がありそうに思いました。
尾崎
そうですね。
答えは一つでも、考え方はいろいろあるから学びもあるわけです。今後の抱負としては「さらに学ぶ」を掲げています。社内で学ぶことはもちろんですが、入社2年目になって社外にも人脈が増えてきましたので、多くの方からたくさん学び吸収したい。一回りも二回りも大きな人間になりたいです。
そして、私の座右の銘は「恩送り」。受けた恩を、恩をくれた人に直接返すのではなく、別の人に送るという意味です。感謝の気持ちをバトンみたいに先へ繋いでいくことで「恩」を循環させる考え方です。賞をいただけたこと、学んだことを「恩」として、また繋いでいきたいと思っています。
プライベートの抱負は「猫背なので姿勢矯正」だそうです。(笑)
好きなことはゲームをすること、サッカーを見ること。広く浅く楽しむタイプなので休みの日もいろいろなことをしていらっしゃるそうです。「東京観光」といいながら住みやすい街探しや建物観察も楽しんでいるとのことでした。