こだわりの空間づくりについて、プランナーにインタビューをしました。
ー今回は港区赤坂という大都心に建つ物件でしたが、立地のイメージや、初めてマンションを見た時の印象などを教えてください
プランナー
実は、以前この近くの物件を担当したことがあったので、立地についてはある程度知っていたんです。
乃木坂駅まで徒歩2分の駅チカ物件で、六本木駅や赤坂駅、青山一丁目駅までも徒歩10分圏内という抜群のアクセス性に加え、六本木ヒルズや東京ミッドタウンなどの商業施設が揃い賑わう反面、檜町公園や氷川神社などの緑も感じられるといった、まさに「憧れの東京」を代表するような場所ですよね。
物件自体は少々古く、1976年築と40年以上経過しているマンションでしたが、手入れが行き届いたきれいなエントランスからは管理体制の良さが伺えましたし、タイル貼りの外観はヴィンテージ感たっぷりで、味があって第一印象から素敵だなと思っていました。
ただ、お部屋に関しては少々難あり……というか、前の所有者の方が事務所として使用していたため、お風呂も付いておらず、キッチンはお湯を沸かす程度のミニタイプ。
居住用にするために大幅な改修が必要になるなと覚悟して臨んだのを憶えています。
ー事務所仕様から居住用へと大幅改修プランとのことですが、まずはどういった部分から考え始めていったのですか?
プランナー
工事の規模に関わらず、まず最初に私たちが考えなければならないことは「どんな方が住むのか」を想像すること。ここがプランニングの原点だと思っています。
この物件の場合、47㎡という広さ的に、ターゲットはシングルかDINKSの方、さらに都心という利便性に加え、治安も良いエリアなので、女性にも選んでいただける可能性が高いのではと考えました。
そこから、同じ働く女性としての目線も交えつつ、キッチンは少しでも広く使いやすいものを、長い時間ゆっくり入れるお風呂、収納はできるだけたっぷりと……などなど、間取りづくりと水まわりの整備を進めていきました。
ー実際にご購入された方も女性だったようで、まさに狙い通りでしたね。リノベーション工事も順調に進んだのですか?
プランナー
いいえ(笑)
マンションリノベーション自体、イレギュラーなこともたくさん起こるんですが、今回はやはり大幅改修ということで、一筋縄ではいかないことがたくさんありました……
特に頭を悩ませたのが浴室です。先ほどお話ししたように、元々お風呂がない物件だったので、新たに場所を決めなければならなかったのですが、配管などの関係から設置できる場所ってある程度決まってしまっていて。
でも、その場所だと私の思い描く「ゆっくり入れるお風呂」のスペースには足りず。
広さを確保するには壁を壊す必要があったのですが、壊してよい壁かどうかが図面だけでは判断ができなかったため、いつもは積算担当と2人で行く事前現地調査に、この時ばかりは施工担当者にも立ち会ってもらい、3人でいろいろな可能性を探ったりしました。
ーそれで、壁が壊せるかどうか分かったんですか?
プランナー
いいえ(笑)
結局、現場を見ても判断がつかず……。それでも工事開始日は迫ってきているので、壁を壊さずにできるプランで進めていくことに。
ただ、可能性はゼロではなかったので「お風呂はできるだけ大きいサイズを入れたい!」という熱い想いだけ、職人さんを含め関係者全員に伝えておきました。
そうしたら!解体したところで壁が壊せることが判明して!すぐに施工担当者が連絡をくれて、一緒に喜び合いました!
こうして無事広いスペースを確保することができ、思い描いた「ゆっくり入れるお風呂」を設置することができました。
関係者の連携のおかげで起こった、この物件1番のミラクルです(笑)
ープランナーの熱い想いが通じたのですね!良かったです!その他、大きなお風呂以外にこだわったポイントなどはありますか?
プランナー
LDKに取り付けたウッドブラインドは、こだわったというか、絶対に使いたいと思っていましたね。
このお部屋は、角部屋ということもあり、全体的に開口部が多く、特にLDKは一面が全て窓になっていて。冷蔵庫や食器棚の位置を想定すると、どうしても窓にかかってしまい、そうなるとカーテンの横開閉は不便になるなと思ったんです。
それと、このお部屋は「カームナチュラル」というARISEスタイルになるんですが、コンセプトの一つ “ラスティック(粗削り・素朴な)モダン”にウッドブラインドの雰囲気がぴったりで。
インテリアとしてもとても映えるし「ここはウッドブラインド以外考えられない!」くらいに思って、営業担当と上長に了承をもらい、設置にいたりました。
ー「カームナチュラル」と言えば、ペグボードも特徴の一つですよね
プランナー
そうです。
ペグボードは壁面に取り付ける穴あきのボードで、好きな位置にフックを引っ掛けて、煩雑になりがちな小物やカバンなどを「見せる収納」として使用する便利なアイテムです。
動線も確保しながらスペースを有効活用できますし、ちょっとした植物や絵などを飾ることで、とってもお洒落な空間になるんですよ。
DIYでも注目を浴びていて、画像検索するとたくさん事例が出てくるので、参考にしながら活用してもらえると嬉しいですね。
物件購入を検討されている方には、完成イメージパースや完成物件での飾りつけなどもぜひ参考にしてもらいたいですね。
ーそれでは最後に、プランニングする際に心掛けていることを教えてください
プランナー
今回の物件は同じ女性目線でのプランニングでしたが、ARISEとして生まれ変わるマンションは年間500件以上。
エリアや広さ、築年や状態も多種多様の中で、どれだけベストなプランニングができるかを日々模索しています。悩んだ時は、これまでの実例を見返したり、ときには新築マンションのプラン図などをリサーチすることも。
また、毎週間取り会議というものを実施しているのですが、諸先輩方からの意見やアドバイスを聞き、情報共有することができるので、大変勉強になっています。
電気スイッチの場所一つとっても、そこで生活する人からするととても重要なこと。細かい部分にまでしっかりと配慮し、すべての物件において「早く帰りたくなる気持ちの良い家」になるようなプランニングを心掛けていきたいと思っています。