こだわりの空間づくりについて、プランナーにインタビューをしました。
ー立地にはどのような印象がありましたか?
プランナー
根津には、落ち着いた雰囲気の街という印象を持っていました。都心ではあるのですが、下町風情を感じられる建物が残っていたり、根津神社や上野公園があるので緑が豊か。人が多くてゴチャゴチャしている感じでもなく、適度に飲食店やお店がある“暮らしやすそう”なイメージです。
今回の物件は、地下鉄の出口から横断歩道を渡ってすぐ!徒歩1分のところにあるんです。この近さなら、ちょっとした雨なら傘を持たなくても行けるかなと(笑)
マンションの並びにあるスーパーにも1分ほどなので、買い物をしてサッとお家に戻れそうな点も羨ましい限りでした。
ーどのような方が住むことを想定しましたか?
プランナー
41㎡という広さからシングルの方。いろいろなところにもアクセスしやすい立地から、フットワークが軽く、バリバリと働く世代を想定しました。宅配ボックスやオートロックがあるので、男性、女性どちらでもあり得るかなと考えていましたね。
ー間取りを見てどう感じましたか?
プランナー
なんてイビツなカタチ!というのが第一印象でした。実はこの物件、分譲時はワンルームの2物件だったお部屋を、前の所有者が壁の一部を撤去して1物件として使用していたのです。それもあって、かなり複雑な形になっていました。
間取りについては、リビングが北側にあるため陽当たりが良くなく、水まわりもバスと洗面台とトイレが一緒になっている3点ユニットと、決して住み心地が良いとは言えませんでした。
2つのワンルームが1物件になった珍しいお部屋。住まう方に合わせて形を変えていきます。
ー形が複雑だとプランニングが難しそうですね
プランナー
相当考えました。まずリビングを北側のままでいくのか、思い切って南側にするのか。いろいろなパターンを想定しましたね。
南側のスペースは北側に比べて広く、陽当たりや眺望も良かったので、快適さを考えるとリビングは南側にしたいのですが、そうすると一番問題になるのが、キッチンの位置が大きく変わることです。通常なら排水や排気の問題から大幅に移動させることは少ないのですが、住み心地を追求するなら、どうしてもキッチンを移動して南側にLDKをつくりたい。
そこで、竣工時の図面で南側スペースを確認したところ、2部屋を仕切る壁付近にキッチンがあったことが判明したんです。「ここなら排水が繋げられる!よし!南側リビングで行こう!」と決断しました。
LDKを南側に配置したことで、陽当たりも眺望も良くなりました。大きな決断が、大きな快適を生みます。
ー大胆なプランですね!
プランナー
この物件だからこそのプランです!
ただ、資料にキッチンの位置が掲載されていても、解体するまでは本当に床下に排水管があるかは分かりません。場合によっては、解体後に大幅なプラン変更になるかもしれないというリスクが……。正直なところ、ちょっと賭けではありましたね。
排水以外にも、レンジフードの排気の出口が北側のお部屋にしかなかったので、繋げるためにダクトのルートを確保しなくてはいけませんでした。梁の位置を確認し、天井の内部に経路を設計したんです。
ープランどおりに行ったのですか?
プランナー
排水管は想定していた位置にありましたので問題なく進められたんです。ダクトのルートも、プランどおりに仕上げることができました。いろいろな方に相談しながら仕上げたプランでしたから、結果うまくいったのだと思います。現場の方にもかなり頑張っていただきましたね。
ー他にはどのようなことを?
プランナー
気になっていた3点ユニットの水まわりを、浴室、洗面室、トイレと、別々の空間に独立させました。ちょうど凹凸になっている部分に収められたので、きれいにまとまったと思います。
それから収納の確保ですね。充実した収納はARISEのコンセプトの一つです。お住まいいただく方がすっきりと快適に暮らせる重要なポイントですので、その場所にふさわしい収納を可能な限り設けました。
玄関やリビングに入ってすぐのところは、あえてオープンの稼働棚にして見せる収納に。洋室には、クローゼットとちょっとしたものが収納できるスペースを。こちらには扉をつけました。その収納スペースと窓の間にカウンターをつけて、時計やフォトスタンドなど、チョイ置きできる場所を設置。そのままだったらデットスペースになるところを、うまく活用できたと思います。
まるでパズルのピースを埋めるかのように、全てが無駄なくハマリました!
ープランを振り返ってみていかがですか?
プランナー
ここまで複雑な形をした物件を担当するのは初めてでした。このように凸凹していると、どうしても無駄なスペースが生まれやすいのですが、その点も考慮しながら間取りを考えたので、かなり悩みましたね。
また、水まわりを大幅に移動させるのは、かなりのリスクを伴います。ですが今回の場合、キッチンを動かさずには、居心地の良い空間はつくれないと思い、そこは多少リスクがあってでも挑戦すべきだと感じたんです。特にこのお家は、もともとが2物件だったことが大胆なプランニングにつながりましたね。結果、キレイにまとまったので良かったです。
買い主様にも気に入っていただき、オプション工事でカスタマイズもさせていただいたので、より快適な空間になったと思います。
これからも住み心地を追求し、物件の可能性を探りながら、場合によっては大胆なプランに挑戦していきたいと思います。