こだわりの空間づくりについて、プランナーにインタビューをしました。
ー今回は、住みたい街ランキングで常に上位に入る目黒ですね。
プランナー
目黒駅まで徒歩8分、目黒川までは徒歩4分という好立地の物件でした。目黒川は桜の季節はもちろん、それ以外でも散策などで常に情報番組などで取り上げられていますよね。
物件は山手通り沿いにあったので車などの騒音が心配でしたが、部屋は反対側を向いていたので、実際に行ったら全く問題なくてホッとしました。
部屋に入ってまず目にしたのが特徴的な間取りのリビング窓なんですが、思わず「なんだこれ?」って呟いてしまいました(笑)ただ、大きな2つの窓からは柔らかい陽射しが差し込んでおり「居心地の良いリビングがつくれそうだな」とも思いましたね。
約58㎡の広さと立地の目黒から、DINKSもしくはシングルもあり得るかなと想像しながらプランニングに取り掛かりました。
特徴的な三角形のコーナー窓からはたっぷりの陽射しが。
桜の名所である目黒川はお散歩にぴったり。桜の季節が待ち遠しい。
ーどのようなプランを考えたのですか?
プランナー
ポイントは、天井にある2カ所の「梁」です。
梁は移動させることができないため、プランニング次第ではこの梁が圧迫感を出し、部屋を狭く感じさせてしまうこともあるんです。なるべく目立たせないようにするにはどうしようか考え、この梁を基準にしてプランニングをスタートしました。
大きな点としては、リビングと洋室の仕切りを梁と同じ位置にしたことです。梁と仕切り壁を一体化させることで、視覚的にも気にならなくなり、ARISEのコンセプトでもある大きなリビングも確保できました。開放的な陽だまりのリビングダイニングを満喫してほしいですね。
次に、キッチンの背面にある梁です。お客様が冷蔵庫や食器棚を置くスペースですが、180センチほどの高さのところに梁がくるんです。近頃の家電は2メートル近いものも多いので、買ってきてからドンとぶつかって置けなくなってはお客様が困ってしまう。どんな高さの家電でも大丈夫なように、梁部分をあえて壁で塞いで天井までを有効活用できるフラットな壁面にしたんです。住みやすくするための、ちょっとした工夫ですね。
プランニングの基準になった2カ所の梁。住みやすい空間になるよう、1カ所は壁と一体化させ視覚的に気にならないように、もう1カ所はあえて壁で塞ぎました。
ーお客様の行動を先読みしたプランニングですね。その他に工夫したポイントはありますか?
プランナー
水まわりと収納の充実ですね。特に水まわりは、それまで洗面と洗濯機置き場がなかったので、かなり不便だったと思います。そこで、スペースをしっかりと確保しようと考えました。
まずは洗面室を新設し、洗面化粧台の設置と洗濯機置き場を設けました。また、お風呂もサイズが許す限りの大きめのタイプを。これで、使い勝手の良い快適な水まわりに変身できたと思います。
次に、収納です。工夫した点としては、リビングと洋室のどちらからも行き来ができる2WAYタイプにしたこと。いつもはやらないのですが、住まわれる方がDINKSないし単身と考えた時に、基本的に過ごすのはリビングがメインになると想定しました。その時に、洋室にぐるっと回って収納へ行くよりも、いつもいるリビングから直接行けたほうが便利だなと感じたんです。そうなるとリビング収納も兼ねることができる!まさに一石二鳥なアイディアでした。そのために、ハンガーポールだけではなく、可動棚を設置してさまざまなものを収納できるようにしたんです。
ー2WAYウォークスルーマルチクローゼットってところでしょうか !?(笑)
プランナー
ネーミングがちょっと長いですが、そういうことですね(笑)
また、この収納以外にも玄関横には大型のシューズインクロークをつくりました。これで、全体的にスッキリとお過ごしいただけるのではないでしょうか。
住まわれる方の生活動線を考えた2WAYクローゼット。洋服だけでなく、掃除機や日用品のストックなど、リビング収納としても活用できます。
ープランニングを振り返ってみていかがですか?
プランナー
実は同じマンションにある上階の部屋も私たちがリノベーションを行っていて、大体の構造を把握していたので、スムーズな工事を想定していたんです。ところが、広さや間取りが一緒でも解体してみると違うところが多々判明して「どうして!」って(笑)
例えば、ガス管が上階と違ってかなり高い位置にあり、キッチンを少し移動させる必要がありました。位置をちょっとズラすだけと思われるかもしれませんが、違うんです!キッチンを移動させることにより、周りの寸法も少しずつ変更しなければなりません。ここは5センチ削ってとか、ここは1センチ、ここは2センチずらしてとか、数センチ単位の変更を何箇所もしました。
「墨出し」と言って、現場の職人さんに分かるよう、解体後の壁に直接寸法などを書き込むのですが、今回の変更はかなり複雑になったので、普段は施工部が担当するところを自分で行いました。
あらためて、中古マンションに同じものはなくオンリーワンだと実感しましたね。これからも、オンリーワンの住まいを提供しているという意識を持って、プランニングの可能性を追求していきたいと思います。
施工部が普段行っている「墨出し」作業。これを元に職人さんが工事をします。(写真はイメージです)