こだわりの空間づくりについて、プランナーの洞山にインタビューをしました。
ー3LDKの物件ですね。どのようなお部屋だったのですか?
洞山
パッと見て感じたのは、小さなお子さんがいるご家族にぴったりのお部屋ということでした。約75㎡の広さで全居室が6帖以上のゆとりのある間取り、角部屋なので窓も多くて採光に困らない。そして、1階の物件でも希少な“テラス付きの広い専用庭”があるんです!
ーテラスと専用庭を合わせて22㎡もあるのは嬉しいですね!
洞山
これだけ広さがあると、ガーデニングや家庭菜園を楽しんだり、お子さんが小さい時は遊具を置いて遊ばせることもできますよね。1階だから下階への騒音を気にする必要がないのも子育て世代には嬉しい環境だと思います。
ーファミリー向けのプランということで、詳細を教えてください。
洞山
現況の間取りを活かすプランで行くことにしました。各々の居室が広めで要所要所には収納もありましたし、壊せない躯体壁の影響から、間取りを大きく変更できなかったので。ただ、気になった点が2つありました。まずはキッチンです。対面式なので炊事中もリビングにいる家族とのコミュニケーションは取れるのですが、壁に囲まれているため常に暗くて、照明が必要なんです。さらに、この壁は視覚的に影響を及ぼしていました。
壁に囲まれているため暗くなってしまう以前のキッチン。
ーどういうことですか?
洞山
廊下からリビングに入った時にキッチンの壁が視界に入るので空間が狭く感じるんです。
廊下からリビングに移動した時に視界に入るキッチンの壁。
洞山
そこで、取り囲んでいる壁を取り除くことにしました。一部分が躯体壁なので、残さざるを得ない箇所もあったのですが、視界に入っていた部分はなくすることができたので。これでキッチンとリビングどちらともに開放感が生まれますし、暗さも軽減できると考えたんです。
リノベーション後。影響を与えていた壁の大半を取り除いたことで、開放感が生まれました。
ー視界が開けて広く感じます!
洞山
プランニングの時は「躯体が残っちゃうからどうしようか……」と悩みましたが、出来上がってから確認しに行った時に、想像以上に空間に広がりがあって嬉しくなりました。躯体壁はちょうどレンジフードの部分なので、残っていても違和感はないと思います。
ーとてもしっくりきていますね。もう一つの気になった点は?
洞山
洋室2の収納です。 収納はあるのですが容量がとても小さくて。以前に住んでいた方が大きなタンスを2つも使っていてスペースを圧迫していたのがとても印象に残っていました。
ただ、収納を増やすにも躯体壁の問題が。洋室2は躯体壁に囲まれているため、壊してスペースを広げることができないのです。壁の手前に新たな収納を作るといった方法もあるのですが、それではせっかく広さが取れているお部屋がもったいない。
オレンジ色の部分が洞山を悩ませた躯体壁。
やはり収納の位置は変えずいこう、位置を変更せずに容量を増やすには、隣接している洋室1の収納スペースも込みで考えよう!と思いました。合わせてみると空間に奥行きがありましたので、ハンガーパイプを正面と片側につけたウォークインクローゼットなら2つ設けられるかも!と思いつきました。その際に気をつけたこととしては、洋室1の扉の位置です。この場合、クローゼットが入り口付近になるのでお部屋の扉とクローゼットの扉が干渉しない位置に取り付けなければいけない。そこを基準としてクローゼットの仕切りの位置を決めました。
ー洋室2の収納量が格段に上がりましたね!
洞山
収納量は重要ですよね。居住空間にも影響が出るので、プランを考える際の優先上位です。各お部屋はもちろん、住まわれる家族構成に合った場所と容量を考えます。収納のことはもちろん、住まわれる方の目線に立ったプランニングを心がけています。
完成した物件を購入者様にご案内することがあるのですが、その際の反応がとても勉強になっています。自分がこだわったところを「ここ、こういうのがあっていいね!」と言っていただけると、とても嬉しいですね。「よし!次に繋げよう!」って感じになるんです。これからも購入者様から学びながら、経験を積み重ねていこうと思っています。