毎年国連が発表している世界幸福度ランキングというものをご存じでしょうか。
世界各国の人々に「自分の人生に対する評価」を、0から10までの11段階で評価してもらい、「どれだけ自分の人生に満足しているかの程度」をランキングにしているものになります。
2024年版の世界幸福度調査ランキングが3月に発表され、フィンランド・デンマーク・アイスランド・スウェーデンという北欧諸国が1位~4位までの上位を独占、1位のフィンランドは2018年から7年連続の1位、2位のデンマークも2019年から6年連続の2位となっており、北欧諸国に暮らす人の多くが、今の生活に幸福感を持っていることが分かります。
なぜ北欧諸国に暮らす人は幸福を感じているのか…
現在の北欧諸国の社会保障の手厚さ、ジェンダー平等の社会環境などの生活面での充実度はもちろんありますが、「ヒュッゲ」という昔から北欧に根付いている考え方が深く関わっていると考えられています。
※日本の2024年世界幸福度調査ランキングは51位です…
ヒュッゲとは何か?
HYGEE(ヒュッゲ)とはデンマーク語で、デンマークの人々が大切にする「時間の過ごし方」「心の持ち方」を表す言葉であり、「居心地の良い時間や空間」「幸せを感じる暮らし」などを指します。
冬がとても長く、太陽の日照時間がとても短いデンマークで、暮らしを楽しみ、幸せな心の状態を生み出している「ヒュッゲ」。
現在その考え方はデンマークだけではなく、北欧諸国を中心に多くの国に伝わり、人々の生活の基盤となり続けています。
ヒュッゲを感じるためにすべきこと
ヒュッゲな暮らしとは、居心地の良さを重視したライフスタイルが重要です。
たとえ北欧に住んでいなくても、ポイントを押さえた暮らしを送ることでヒュッゲな暮らしを楽しむことができてしまいます。
そこで今回は、ヒュッゲな暮らしを送るために大切にしたいことを、5つのポイントに分けてお伝えしていきましょう!
好きなものに囲まれた空間で、ゆっくりとした時間を過ごす
ヒュッゲな暮らしを楽しむためには、空間づくりがとても重要です。
お気に入りのもの、自分が好きなものに囲まれて暮らすことは、どの人にとっても自然と気持ちを落ち着かせることができるはずです。
デンマークには必要最低限のものだけで暮らす「ミニマリスト」が多いと言われていますが、これは大切なものを長く使い続ける習慣があるからです。
親から代々受け継いだ家具や食器を使い続けることが当たり前であり、それらのモノからも「ヒュッゲ」を感じることができるのです。
不要なものは無くし、好きなものだけに囲まれた空間で、ゆっくりと時間を過ごすことは、ヒュッゲの考え方においてとても大切とされています。
暮らしに自然を取り入れる
冬が長いデンマークでは、自然の温かさを感じることをとても重要としており、短い夏の期間は近所のお散歩やピクニックを行って自然を身近に感じ、また通勤時には自転車に乗ることで体に風を感じる人が多くいます。
家の中にも観葉植物を多く取り入れ、長い夜にはキャンドルの火のゆらぎを眺めることで心を落ち着かせ「ヒュッゲ」を感じています。
過度に仕事に縛られない
デンマークの人は、ワーク・ライフ・バランスを重視しており、残業はほとんどなく、早い人では15時や16時には退社します。
仕事だけに縛られず、常に自分は何をしたいのかを考えることで、仕事と同じくらい、またはそれ以上にプライベートの時間を大切にし、暮らしが充実しているからこそ、仕事にも注力できるというのが「ヒュッゲ」の考え方です。
家族や友人との時間を大切にする
デンマークでは、家族や友人と同じ時間や空間を共有することが大切だと考えられており、
同じ北欧諸国のスウェーデンでも、家族や友人・パートナーと一緒に長い時間お茶やコーヒーなどを楽しむ「FIKA」という習慣があります。
特別なことはせずに家族で食卓を囲む、友人を招いてホームパーティーを開くなど、飾らない自分のままで、好きな人たちとの心安らぐ時間を持つことが心からのリラックスを与え、「ヒュッゲ」に繋がっていくのです。
小さな幸せを見つけて感謝する
デンマークの人たちは厳しい気候のなかでも、家での過ごし方を工夫したり、生活の中で小さな幸せを見つけて楽しみます。
「あれが欲しい」とないものに目を向けることは、今あるものが当たり前で、不平不満や自分の足りない所ばかりに目がいきがちになるものです。
目の前にあるものに感謝をして、日常の何気ない時間を愛おしく思うこと、その姿勢こそが、幸せを感じる最大のポイントであり、「ヒュッゲ」なのかもしれません。
まとめ
「ヒュッゲ」というのは、物質で満たされるのではなく、人とのふれあいやリラックスした時間で満たされることを大切にした考え方であり、大事なのは形式や方法などではなく、心地よい空気を感じて、心が満たされればその方法はなんでもよいのです。
現代社会には不安や焦りなどネガティブな感情が多くありますが、「ヒュッゲ」という心のあり方ひとつで日々の生活が少し豊かに変わるのではないでしょうか。
<スタッフ後期> 今年の春、台湾旅行に行った際「ちょっと高い茶葉」を買ったことをきっかけに、わが家では夕食後に温かいお茶を入れ、時間をかけてゆっくりとお茶を楽しむ習慣ができました。 私にとってこの時間は心が落ち着くだけでなく、身体の代謝も上がり明日への活力を生む、一石二鳥の重要な時間になっているんです。 まさにこれこそが「ヒュッゲ」ではないかなと感じています! そう思うと、旅行に行けたこと、素敵な茶葉に出会えたことに感謝をして、今後もお茶を楽しむ時間を大切にしようと思えますね!
最後までお読みいただき、ありがとうございます!