石川県能登地方で発生した「令和6年能登半島地震」におきまして、被害にあわれたみなさまに心よりお見舞いを申し上げるとともに、 犠牲になられた方々とご遺族のみなさまに対し、深くお悔やみを申し上げます。
被災地のみなさまの安全と一日も早い復旧・復興をお祈りいたします。
~備えあれば患いなし~
2024年の幕開けは、災害のニュースが続き、心を痛めた方も多くいらっしゃると思います。
地震大国日本。
首都直下型地震の発生確率は、今後30年で70%、50年では90%とされており、
この先も、日本では大きな地震が「必ず発生する」と言えるのではないでしょうか。
だからこそ、「もしも」が起きたときの備えを今一度見直してみませんか?
マンション特有の防災対策もご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてみてください!
家の中で出来る対策
防災グッズの準備
ご存知の通り防災グッズとは、家具の固定器具やヘルメット、消火器などといった「災害を防ぐ」ための備品や、水や食料・衛生用品など「被災後の生活を安全に、そしてできるだけ快適に過ごす」ための備品のことです。
こちらが一番重要と言っても過言ではありません。
防災グッズは下記の2パターンに分けて準備しておくことをおススメします。
避難所に避難しに行く場合
持ち出し用のため多すぎても避難の邪魔になってしまいますので、最低でも「500ml×ペットボトル4本」の2ℓ程度の飲料水を準備しましょう。
避難所では、食品が配給されるケースが多く見られますが、食料が行き届かず配給されない状況が続くことも想像できます。そのため「人数×3日分」の調理が必要ないレトルトご飯や缶詰、お菓子・乾パンなどの保存食を用意しましょう。
避難先での健康確保のためには、衛生用品を準備しておくことが必須です。
トイレットペーパーや除菌ジェル、マスク、歯磨きシート、タオルなどは必ずいれておきましょう!医薬品も、数日分セットしておくことをおススメします。
また、簡易トイレも準備しておきたいモノの1つです。150円程度で一回使い切りタイプのモノも販売されているので、数個入れておきましょう。
最低でも数日分の下着や洋服は必要となります。また、冬であれば防寒具も必須となります。アルミシートなどを1枚いれておけば、防寒シートとしても使用できるのでおススメです。
ここで忘れないでいただきたいのが、眼鏡です! 被災時周りの状況が「見えない」ことは、命の危機にも直結する問題です。 着の身着のまま避難した場合、裸眼の状態やコンタクトレンズのままで数日間過ごすことになってしまいます。避難先は綺麗な水が確保されている可能性が低いので、コンタクトレンズも清潔に使用することは難しいでしょう。 必ず予備の眼鏡を入れておくようにしてください! 東日本大震災では、眼鏡を持っていなかった方たちが多く、深刻な問題になったそうです。
被災時は、電子決済等が使えなくなることが大いに予想されます。
小銭を多めに含んだ現金・保険証等のコピーを防水ケース(フリーザーバックでも可)の中にいれておくと安心でしょう。
家の中で数日間過ごす場合
次に被災時、家の中で過ごすことを想定した場合の準備リストと注意点をご紹介していきます。
在宅避難用として基本的に備蓄品として家の中に準備しておくものですが、リストは持ち出し用と大きくは変わりません。
備蓄品は原則、1人あたり3~7日分の備蓄が必要だとされています。
最低でも水は9ℓ(調理用も含め、1日3ℓ計算)の飲料水を確保しておきましょう。これに加え、食料品は同じく9食分ストックしておくことをおススメします。
在宅避難であれば、避難所とは違いもともと家にあるもので避難生活ができますが、食事面などは自分たちでカバーしていかなければならないため、若干準備しておくアイテムが違います。
ここからは、自宅にて避難を強いられた際に必要になるモノを挙げていきます。
調理に必要なガスコンロとガスボンベは1人あたり1日1本程度と考え、3~5本あると良いでしょう。
被災時は、停電になる可能性が非常に高いため、明かりの確保が必須です。
懐中電灯は部屋全体を照らすのに不向きで、ろうそくは火事の危険性もあるため、LEDランタンがおススメです。
今はスマートフォンで何でも情報収集ができますが、ネット回線が混雑してしまうケースも考えられるため、
情報を拾えるようラジオも準備しておくと良いでしょう。
以上が基本的に必要な防災グッズのリストになります。
避難所か自宅どちらかで避難生活を過ごすにせよ、基本的には「3日分」の準備をしておくようにしましょう。
災害発生から3日を過ぎると生存率が著しく下がってしまうため、災害発生から3日間は人命救助が最優先になります。道路の復旧や避難所への物資輸送はその後になるので、まずこの3日間を自力で乗り越えられるような準備が大事です。
<ここで気になる!>ローリングストック法とは?
防災品の備蓄方法の1つにローリングストック法という手法があり、日常生活の延長で始められるのでこちらで簡単に紹介いたします。
ローリングストック法とは・・・日常生活で備蓄を使用し、常に新しいものに入れ替え一定量を備蓄しておくこと。
この方法を実践することで、いざという時の賞味期限切れを防ぎ、災害時も日常生活に近い食生活が送ることができます。
家づくり(家具の配置と固定)
防災力を高めるためには、家自体にも工夫を凝らしていくことが必要となってきます。
ここからは、家の中の安全対策をご紹介してまいります。
家具の固定の方法は、いくつかありますが一番確実な方法は、「壁にL型金具でネジ止め」することです。突っ張り棒やストッパーなどは、金具での固定が難しい場合に使用しましょう。
家具の固定に加えて、照明器具の落下防止対策も必須です。
まず行なうべき対策は、飛散防止形蛍光灯・LEDへの交換です。蛍光灯などのガラス片の飛散を防ぐため、可能な限りLEDへ交換をしておきましょう。
リビング・寝室などで皆さんもよく使われているシーリングライトですが、正しく使用するだけでも、落下の危険を大きく抑えられる商品ですので、この機会にズレなどないか設置確認を行いましょう。
ベッド周りには基本的に大きな家具は置かないようにしていただきたいと思います。置く場合はなるべく背の低い家具にし、就寝中に倒れてきても押しつぶされない位置に配置しておきましょう。
どの部屋であろうとも、ドア付近には大きな家具を置かないようにしておきましょう。地震等でモノが散乱し、ドアを塞いでしまうことで、すぐに退避が出来なくなります。
ここでは、配置だけではなく「向き」も考え、倒れやすい方向などにも注意しながら家づくりをすることをおススメします。
気象庁が発表している、震度と揺れの状況を見てみると「震度5弱で家具が移動する可能性があり、不安定なモノは倒れることがある」と説明されていました。
最近は在宅ワークなども進み、家の中にいる時間が増えた方も多くいらっしゃると思いますので、家自体の防災力を高められるような工夫を凝らしておくようにしたいですね。
マンション防災の心得
東日本大震災では、倒壊など大破したマンションはゼロという記録が残っておりますが、エレベーターの落下や断水や停電などの被害は起こりました。
特にマンションなど、高層建造物では「長周期地震動」というものが見られます。これは船酔いを起こすようなゆっくりとした揺れが長く続く現象で、東日本大震災時には、10分以上に渡り揺れがあった建物も観測されました。
ここからは、マンション特有の災害時対応をご紹介していきます。
地震によって下水管が破損したまま、上の階の住人がトイレを使用してしまうと、下の階で下水が溢れてしまうことがあります。
復旧確認が取れるまで、簡易トイレを使用しましょう。
地震被害によってすでに使用出来なくなっているケースも考えられますが、仮に動いていたとしても閉じ込めや落下の危険性があります。被災時は非常階段を使いましょう。
また、必ずベランダ/バルコニーに避難ハッチが取り付けられているので、玄関から避難が難しい場合、そちらからの脱出方法も今一度確認しておきましょう。
オートロック物件の場合、セキュリティが機能しなくなりエントランスが開かない又は開いたままになってしまうことも予想できますので、チェーンや南京錠などの防犯グッズも準備しておくと安心でしょう。
災害後居住を継続する場合においては、支援物資の運搬やゴミ出しなど入居者同士の助け合いが必要になってきます。被災時は自分の身を守るだけでも困難な状況だと思いますので、居住者同士でストレスなく助け合えるよう日頃から顔の見える関係づくりも心がけたいですね。
【まとめ】
ここまで、基本的な防災対策を説明させていただきました。何よりも対策を後回しにせず、「明日大きな災害が起きるかもしれない」と想定して備えていくことが肝心です。
みなさんも今日からできる防災対策を始めてみませんか?
< スタッフ後記 >
ネットニュースで被災者の方が被災後そのまま避難生活を強いられ、眼鏡やコンタクトレンズがないことに困っていると知り、この記事を書くことを決めました。
自分もコンタクトレンズ使用者なのですが、想像してみたらゾッとして、これはしっかり防災対策しないといけないと思いすぐに新しい眼鏡を買いに行きました。
自分の身は自分で守れるようしっかりと準備しておきたいと改めて感じました。
被災に遭われた方の1日でも早い復興を願うと共に、そこから教訓を学び次の災害に備えて準備しておくことが何よりも大事だと思います。皆様がこの機会に、少しでも防災対策を考えていただけたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
*2024年1月22日時点の情報です。